2025年3月4日に、元々4月に施行すると述べていた関税措置について前倒し3月4日から開始する旨を発表したドナルド・トランプ大統領。
トランプ大統領の関税措置の発表をうけ、追加関税による影響を懸念し、日本株も大幅下落しました。
トランプ大統領の発言で株価の潮目がコロコロ変わるからチェックしておきたい!
2025年3月5日のトランプ大統領の演説の内容をいち早く知りたい!
演説の内容と、日本時間前日の3月4日夜に「カナダ・メキシコ関税」について引き下げの協議中とありましたが、どうなったのか。
トランプ大統領が「大事な発表がある」と述べた内容は何だったのかも解説します。
2024年3月5日のドナルド・トランプ大統領の演説内容について
トランプ米大統領は2025年3月5日午前(日本時間)、連邦議会の上下両院合同本会議で施政方針演説を行いました。
この演説は、大統領就任1年目に行われる重要な演説で、4年間の任期における内政・外交政策の方針を示すものです。
主な演説のポイントは以下の通りです:
- 経済再建を最優先課題として掲げ、勤労者世帯の迅速な救済を強調
- 減税政策が柱と強調
- インフレからの脱却策として、エネルギーコストの削減を重視
- 輸入品への高関税賦課などの政策に言及
- 過去最少の不法越境者数を達成したと主張し、移民問題への取り組みを強調。
- 4月からの相互関税発動を再表明し、関税政策への強い意欲を示す。
- ウクライナ情勢や中東問題など、外交政策についても言及
- ゴールド・カード(アメリカ永住権)の販売
- DOGE(政府効率化局)を設置し、重要な鉱物とレアアースの生産を目指す
トランプ大統領は、この演説を通じて自身の対決的な統治スタイルをアピールし、「大胆で野心的、そして常識的な将来のビジョン」を概説したとされています。
全文日本語訳
日本語訳と大統領演説の全文については、長くなるため、下記記事にまとめていますのでご覧ください。

トランプ大統領の演説で特に注目された点は?
トランプ氏の本日の演説で特に注目された点は以下の通りです:
- インフレ脱却への意欲
トランプ大統領は物価の引き下げを強調しましたが、具体的な政策の詳細には触れませんでした。
この点について市場では、関税政策がインフレを悪化させる可能性を懸念する声もあります。 - 4月からの相互関税発動の再表明
トランプ氏は、輸入品に対する高関税を課す「相互関税」の導入を再度表明しました。
この政策は国内産業保護を目的としていますが、国際貿易への影響が議論されています。 - 移民政策の強化
不法移民対策として、南部国境での国家非常事態宣言や、不法滞在者の強制送還など厳格な措置を改めて強調しました。また、犯罪カルテルを国際テロ組織に指定する意向も示しました。 - エネルギー政策の転換
国内での石油や天然ガスの掘削促進を掲げ、バイデン政権下で推進された「グリーン・ニューディール」政策を撤廃する方針を表明しました。これによりエネルギー価格低下とインフレ抑制を目指すとしています。 - アメリカの権力の復活
パナマ運河を取り戻すことや、造船局を設置し、メキシコ湾をアメリカ湾とするなど権力の復活を強調しました。 - ウクライナ情勢について
ウクライナとロシアの争いを終わらせるために、ゼレンスキー大統領から手紙をもらったと話しました。
ゼレンスキー大統領は演説の前日に鉱物資源協定をめぐる協定にサインすることに当たって、トランプ大統領と口論になってしまいました。手紙の中に鉱物資源協定を結ぶかは明示されていませんでしたが「準備はできている」と述べています。
トランプ大統領が施行した関税措置について
第2次トランプ政権の関税政策については以下です。
第2次トランプ政権の関税政策
概要 | 概要 | 発動日 | |
---|---|---|---|
国・地域ごと | 中国 | 追加関税を20%に引き上げ | 2025年3月4日発動 |
カナダ・メキシコ | 全輸入品(自動車を除く)に25%の関税 | 2025年3月4日発動 | |
EU | 全輸入品に25%の関税か? | 近く公表 | |
品目ごと | 鉄鋼・アルミ・銅・木材 | 全ての製品に25%の追加関税適用 | 2025年3月12日発動予定 |
自動車 | 25%程度の関税を適用か | 4月2日発表? | |
農産品・半導体・医薬品 | 詳細不明 | 4月2日発表? | |
全世界対象 | 一律関税 | 全ての国からの輸入品に10〜20%の関税 | 検討中 |
相互関税 | 貿易相手国と同水準で関税引き上げ | 4月2日発表? |
カナダ・メキシコ関税はなぜ課されたのか
カナダとメキシコに対する関税は、主に不法移民と違法薬物の流入を抑制するためです。
トランプ米政権は、これらの問題に対処するための緊急措置を両国に求めました。
関税の緩和については、両国が米国の要求に応じた措置を講じた場合に適用される可能性があります。
一時的な延期や緩和は、両国の協力が進展した場合に検討されるものです。
また、米国内への影響を抑えるために、特定の重要鉱物やエネルギー資源・自動車に対する税率は軽減されました。
関税がかかると日本株にどのような影響がでる?
関税が日本株の業界に与える影響を業界別に分けると、以下のようになります。
- 自動車業界:
関税は特に自動車輸出に大きく影響します。
メキシコやカナダからの自動車輸入に対する関税強化は、日本企業の競争力低下や業績悪化を招く可能性があります。 - 半導体業界:
半導体関連株も関税の影響を受けやすく、特に米国との貿易が多い企業が影響を受ける可能性があります。 - その他の輸出関連業界:
輸出を中心とする他の業界も、関税による輸出減少やコスト増加の影響を受けることがあります。 - 内需関連業界:
内需に依存する業界は、関税の影響が比較的少ないと考えられますが、全体的な経済状況の悪化が影響を及ぼす可能性があります。
ただ、3月5日のトランプ大統領の演説で、自動車産業については今後発展するように税制優遇するとし、「ホンダの新しく建設されるインディアナの工場は世界最大規模のものになるだろう」と述べています。
関税が日本株の業界別影響を分ける際の具体的な指標は?
関税が日本株の業界別に与える影響を具体的に評価する際の指標は以下の通りです。
- 輸出依存度:
企業がどれだけ輸出に依存しているかが重要です。
特に自動車や半導体などの輸出関連企業は、関税の影響を受けやすいです。 - サプライチェーンの多様性:
企業がどれだけ多様なサプライチェーンを持っているかが影響を受ける程度を左右します。
多様なサプライチェーンを持つ企業はリスクを分散できる可能性があります。 - 現地生産比率:
企業がどれだけ現地で生産を行っているかが重要です。
現地生産比率が高い企業は関税の影響が少ない可能性があります。 - 関税率格差:
特定の品目における関税率の格差が影響を与える可能性があります。
関税率が大きく異なる品目は特に影響を受けやすいです。
関税が上がると具体的に生活はどうなるの?
関税が上がると、国民の暮らしに以下のような影響が出る可能性があります:
- 物価の上昇:
輸入品の価格が上昇し、日用品や食料品などの価格が上がる可能性があります。
これにより、家計の支出が増加し、生活費が上昇する恐れがあります。 - 選択肢の減少:
輸入品の価格上昇により、一部の商品が市場から姿を消す可能性があります。
より国内製のものを買おうとするようになります。 - 雇用への影響:
輸出産業が打撃を受けた場合、雇用が減少する可能性があります。
一方で、国内産業保護により、一部の産業では雇用が増加する可能性もあります。 - 経済成長の鈍化:
貿易の縮小により、経済成長が鈍化する可能性があります。
これにより、賃金上昇の抑制や景気の悪化につながる恐れがあります。 - 為替レートの変動:
関税の上昇は為替レートに影響を与え、円高や円安を引き起こす可能性があります。
これにより、海外旅行や留学のコストに影響が出る可能性があります。 - 特定産業への影響:
自動車など、関税の影響を受けやすい産業に従事する人々の収入や雇用に直接的な影響が出る可能性があります。 - 中古品市場の活性化:
新品の価格上昇により、中古品市場が活性化する可能性があります。 - オンラインショッピングの増加:
より安価な商品を探すため、オンラインショッピングを活用する消費者が増える可能性があります。
海外の直接購入なども増加する可能性があります。
アメリカがウクライナの鉱物資源に興味を持った理由は?
ウクライナ情勢を解決するための条件として、トランプ大統領は「鉱物資源協定」を結ぶことを望んでいます。
アメリカがウクライナの鉱物資源に興味を持つ理由は、主に以下の点にあります。
ウクライナの鉱物資源に興味を持つ理由
- 経済的利益:
ウクライナの豊富な鉱物資源は、経済的利益をもたらす可能性があります。
主な鉱物には、鉄、マンガン、チタン、ウラン、黒鉛、リチウムなどがあります
特にレアアースの確保が重要視されています。
レアアースについては今週末に発表があると強調しているので、思惑として協定が結ばれる前提なのかもしれません。 - 中国からの依存脱却:
アメリカは重要な鉱物の多くを中国から輸入しており、供給の多様化を図るためにウクライナの鉱物資源に注目しています。 - 地政学的戦略:
ウクライナの鉱物資源は、軍事支援や経済的支援の見返りとして提供されることがあります。
これは、地政学的な戦略の一環としても位置づけられています。

ウクライナの停戦が日本の経済に与える影響は?
ウクライナの停戦が日本の経済に与える影響は多岐にわたります。主な影響として以下が考えられます:
1.エネルギー価格の安定化
原油や天然ガスの価格が下落し、安定化する可能性があります。
これにより、日本のエネルギーコストが低下し、企業の収益性改善や物価上昇の抑制につながる可能性があります。
2. 円相場への影響
地政学的リスクの低下により、円高傾向になる可能性があります。
輸入コストの低下につながる一方、輸出企業の収益に影響を与える可能性があります。
3. 株式市場への影響
全体的にリスクオフの傾向が強まり、株価が下落する可能性があります。
特に防衛関連株や資源関連株が影響を受ける可能性があります。
4. 貿易・投資環境の改善
ロシアへの経済制裁が緩和される可能性があり、日本企業の対ロシア取引が回復する可能性があります。
ウクライナの復興需要により、日本企業のビジネスチャンスが生まれる可能性があります。
5. 食料価格への影響
ウクライナからの穀物輸出が正常化し、世界的な食料価格の安定化につながる可能性があります。
これにより、日本の食品関連企業のコスト負担が軽減される可能性があります。
6. 消費者マインドの改善
地政学的リスクの低下により、消費者マインドが改善し、消費活動が活発化する可能性があります。
これらの影響は、停戦の条件や国際情勢の変化によって異なる可能性があります。また、短期的な影響と長期的な影響が異なる場合もあるため、注意深く観察する必要があります。
今回の演説内容(関税政策・ウクライナ情勢)で動きそうな日本株はズバリ何?
今回の演説によって日本経済への影響と対策は以下のようなものが考えられます。
- 対米貿易関係と産業構造へのインパクト
- 自動車産業は関税の影響を直接受け、サプライチェーン全体に波及する可能性が高い。
- デジタルサービス分野は関税の直接的影響は少ないが、規制面での課題がある。
- 関税政策の波及効果
- 日本企業の北米現地生産シフトが加速する可能性がある。
- アメリカ国内の物価上昇により、日本製品への需要が減少する可能性がある。
- 政府・企業の対応策
- 内需拡大とイノベーション促進が重要。
- サプライチェーンの多角化と重要部品の確保が必要。
- 貿易交渉では日本の強みをアピールし、多国間協調を強化。
- 為替相場の安定と適切な金融政策運用が求められる。
これらを踏まえたうえで、注目の業界は以下の4つです。
- オンラインショッピング関連:
- 楽天グループ(4755): eコマース大手として恩恵を受ける可能性が高い。
- LINEヤフー(4689): ヤフーショッピングを運営しており、需要増加の恩恵を受けやすい。
- 中古品産業:
- ブックオフグループホールディングス(9278): 中古品全般を扱う最大手。
- ゲオホールディングス(2681): セカンドストリートが米国に進出中
- 自動車関連:
- トヨタ自動車(7203): 北米生産拠点を持つため、関税政策の影響を受けやすい。
- 日産自動車(7201): 同じく北米生産拠点を持ち、影響を受ける可能性がある。
- 本田技研工業(7267):トランプ大統領が演説で名指しで触れた銘柄
- 防衛関連株:
- 三菱重工業(7011): 防衛装備品の主要サプライヤー。
- 川崎重工業(7012): 航空機や艦船など防衛関連事業を展開。
これらの銘柄は、政策変更やウクライナ情勢の変化に敏感に反応する可能性が高いです。
ただし、株価の動きは複合的な要因によって決まるため、個別の企業分析や市場全体の動向も考慮する必要があります。
コメント